Panasonicのフルサイズミラーレス一眼カメラ「LUMIX S5ⅡX (DC-S5M2X)」を購入しました。
今回はLUMIX S5ⅡX のスペックや特徴・おすすめアクセサリーを紹介し、良い点・悪い点やS5Ⅱとの違いをレビューします。
Contents
LUMIX S5ⅡXのスペック
LUMIX S5ⅡXの撮影性能やボディの仕様をスペック表にまとめています。
販売価格 | 274230円(2023/7現在) |
発売日 | 2023年6月 |
レンズマウント | L-マウント |
センサーサイズ | 35mmフルサイズ |
画素数 | 2420万画素 |
iso感度 | 標準:100〜51200,拡張:50〜20480 |
シャッタースピード | 60〜1/8000 |
連写速度 | 超高速 30コマ/秒,高速 約9コマ/秒 |
手ぶれ補正 | 5.0段/Dual I.S.時 6.5段 |
動画フォーマット | MP4,MOV,Apple ProRes |
4K,C4K動画撮影 | 4K 24p/30p/60p, C4K 24/30p/60p |
6K動画撮影 | 6K 24/30p |
動画記録時間 | 時間制限なし |
液晶モニター | 184万画素/3.0型 |
ファインダー | 368万画素/0.78倍 |
カードスロット | ダブルスロット・SDカード(UHS-Ⅱ)×2 |
防塵防滴 | 対応 |
USB充電/USB給電 | 対応 |
本体サイズ | 幅 134.3mm × 高さ 102.3mm × 奥行 90.1mm |
重量 | 657g |
LUMIX S5ⅡXのお勧めポイント(良い点)
LUMIX S5ⅡXの良い点やお勧めポイントを紹介します。
クールでかっこいいオールブラックデザイン
S5ⅡXはオールブラックデザインを採用しています。
LUMIXのロゴやS5ⅡXのロゴがブラックの文字であしらわれておりダイヤルやボタンの文字もグレーの印字になっており、このクールでデザインだけでも十分買う価値があります。
手持ち撮影でもブレない手ぶれ補正機能
S5ⅡXのボディ内手ぶれ補正はとにかく優秀です。
写真撮影時の手ぶれ補正はもちろんのこと、動画撮影時の手ぶれ補正もとても強力で歩行時にジンバルを使用しなくても滑らかな撮影が可能です。
さらに、レンズ内手ぶれ補正を内蔵したレンズと組み合わせることで最大6.5段分の手ぶれ補正が可能になります。
多彩な動画撮影性能
S5ⅡXは動画撮影時さまざまな解像度・圧縮方式・コーデックが選択可能です。
解像度についてですが最大6K動画まで撮影可能で、4K・C4Kの場合は60Pの動画も撮影可能です。
圧縮方式はLongGOPだけでなくALL-I(ALL-Intra)での撮影可能です。
ALL-Iは動画を圧縮しないのでファイルサイズは大きくなりますが動画編集時そのまま展開できるのでPCへの負担が少なくスムーズな編集が可能です。
高画質のProRes での動画も撮影可能です。
ただし、ProResは高ビットレートのためSDカードへの保存ではなく、SSDへの保存が必須となります。
さらにATOMOS NINJA VやBlackmagic Video Assistなど外部レコーダーを使用すればさらに高画質なRAW動画撮影も可能です。
LUMIX S5ⅡXとBlackmagic RAWで撮影した作品はこちら
4K60Pや6K24Pの動画撮影時間が無制限
S5ⅡXは4K60Pはもちろん6K24Pの動画撮影でも時間制限がなく、SDカードの容量やバッテリーの残量がある限り動画撮影時間無制限の撮影が可能です。
他社のミラーレス一眼カメラの場合、高画質や高フレームレートの動画撮影を行うには必ずと言っていいほど撮影時間に制限がありますが、S5ⅡXにはペンタ部分に搭載されている放熱ファンとヒートシンクで本体の温度上昇を防ぐことができるので安心して長時間の炎天下での動画撮影ができます。
待望の像面位相差AFを採用
LUMIX S5ⅡXは従来のコントラストAFから像面位相差AFに変更されています。
パナソニックのミラーレス一眼カメラはLマウントもマイクロフォーサーズもコントラストAFを搭載しており動体撮影のAFが他社と比べて劣っていたが、S5ⅡXでは像面位相差を採用したことで他社の動体AFの性能にかなり近づき動くものの撮影が容易になりました。
私はS5も愛用していましたが、S5ⅡXを使用してからはAF性能によるミスショットがほぼなくなり写真も動画も歩留まりが良くなり像面位相差AFにとても満足しています。
大容量で高速なSSD記録が可能
S5ⅡXはSSD記録に対応しています。
SSD記録ができることでProRes撮影や4K 60Pの高ビットレートモードでの記録が可能で写真も同様にSSDに記録可能です。
SSD記録のメリット
- SDカードよりも安価で大容量の動画・写真の記録が可能
- PCへの読み込み速度がSDカードよりも高速
さまざまなメーカーのSSDに対応していますが、私はコンパクトで耐衝撃性にも優れているSanDisk エクストリーム ポータブル SSDを使用しています。(S5ⅡXに対応しているSSDは2TBまでなので購入時はご注意ください。)
なお、SSDはSmallRig 外部SSD用汎用ホルダーをS5ⅡXに装備して使用しています。
LUMIX S5ⅡXの本体と付属品を紹介
私が購入したのはLUMIX S5ⅡXのボディ単体で同梱品は以下の通りです。
- S5ⅡX ボディ
- ボディキャップ
- ホットシューカバー
- バッテリーグリップ接点カバー
- ショルダーストラップ
- バッテリーパック/DMW-BLK22
- ACアダプター
- USB接続ケーブル
- 説明書
本体のオールブラックデザインに合わせてショルダーストラップもLUMIXのロゴがブラックになっている徹底ぶりでかっこいいですね。
バッテリチャージャーは同梱されていないので充電はバッテリーの入ったS5ⅡX本体にUSBケーブル・ACアダプターを接続しコンセントに差すもしくは、バッテリーの入ったS5ⅡX本体にUSBケーブルを接続しPCなどのUSBポートに接続するのいずれかの方法で充電します。
複数のバッテリーで運用する場合はバッテリーチャージャーの別途購入をお勧めします。
ダイヤルの文字やボタンの文字は目立ちにくいグレーになっています。写真では見えにくいと思いますが、実物ではそこまで見えにくくありません。なお、動画録画ボタンはS5Ⅱ同様わかりやすい赤色になっています。個人的にはシャッターボタン上のホワイトバランス・iso・露出のボタンがわかりやすくて気に入っています。
グリップはS5よりもやや大きく深くなり小指も余らずしっかりホールドできるように改善され、望遠レンズのLUMIX S PRO 70-200mm F4 O.I.S.を装着した状態でもバランス良く支えることができます。
先代のS5のファインダーは236万画素と少々ものたりませんでしたがS5ⅡXは368万画素にスペックアップしてとても見やすくなりました。
背面液晶はバリアングル方式で184万画素と他社の同クラスのミラーレス一眼カメラと比べて高精細で動画撮影時のピントの確認やローアングルでの撮影もしやすくなっています。
2機のカードスロットはどちらもUHS-Ⅱ対応で4K60Pのような高ビットレートの動画でも問題なく保存可能です。
2機のカードスロットはスロット1の容量がいっぱいになったらスロット2に切り替わる「順次記録」やスロット1の撮影データをスロット2に「バックアップ記録」・動画と静止画の「振り分け記録」の3つの記録方法が選択できます。
上から外部マイク・ヘッドホン出力・HDMI Type A・USB3.2 Type-Cのポートが付いています。
S5は故障しやすいmicro HDMIだったのでS5ⅡXのフルサイズのHDMI TypeAへの変更は嬉しい限りです。ただ、S5同様HDMIケーブル・USBケーブルを接続すると背面液晶の稼働範囲が制限される問題は相変わらずなので次のS5Ⅲ(?)では改善してほしいものです。
LUMIX S5ⅡXのデメリット(悪い点)
バッテリー持ちがあまり良くない
ミラーレス一眼カメラ全般に言えることですが、LUMIX S5ⅡXは専用バッテリー(DMW-BLK22)での写真の撮影可能枚数はメーカーのスペック表によると約370枚で動画の連続撮影可能時間は約130分でお世辞にもバッテリー持ちがあまり良くありません。
私は半日以上撮影する場合、本体のバッテリーに加え予備のバッテリーを2個常備しています。
またバッテリーを交換する暇のないイベントでの動画撮影の場合はモバイルバッテリーを使ったUSB給電の使用をお勧めします。
私はSmallRig ポータブルパワーバンク用ホルダー にCIO SMARTCOBY Pro 30W 10000mAhを装着して使用しています。
4K60Pがクロップされる
S5ⅡXは4K 60Pの動画が撮影できますが60P時はAPS-Cにクロップされレンズの焦点距離が1.5倍になってしまい、望遠時の撮影では有利ですが広角時の撮影では不利になります。
4K 60Pでの動画撮影をメインに考えている場合は広角ズームレンズを用意しておくといいかもしれません。
SSD記録中はUSB給電が使用できない
S5ⅡXの特徴の一つが外付けSSDへの記録機能ですが、USBポートが1つしかないのでSSD記録中はUSB給電ができません。
Apple ProResや800MbpsのALL-Intra撮影でバッテリー交換せずに長時間撮影する場合、バッテリーグリップ 「DMW-BGS5」の使用をお勧めします。
LUMIX S5ⅡXのおすすめ周辺アクセサリー
S5ⅡXは動画撮影に特化したミラーレス一眼カメラなので周辺機器やアクセサリーもそれを考慮して購入する必要があります。
SDカードの場合、動画撮影時はビデオスピードクラスの性能が重要となります。SDカードの表面にV30/V60/V90などの数値が書かれており、その数値が高ければ高いほど高ビットレートの動画撮影に対応します。
ビデオスピードクラスの詳細
- V30:240Mbpsのビットレートの動画撮影まで対応
- V60:480Mbpsのビットレートの動画撮影まで対応
- V90:720Mbpsのビットレートの動画撮影まで対応
LongGOPでの動画撮影の場合はV30のSDカードでも問題ありませんが、ALL-Intraでの動画撮影を行うのであれば、V60・V90のSDカードが必要になります。
高品質な動画を撮影する場合、SDカード以外にもさまざまな周辺機器やアクセサリーが必要となります。
例えば、綺麗な音声を録るにはマイクが必要になり、RAW動画を撮影するには外部レコーダーが必要となり、ProRes動画を撮影するにはSSDが必要になりといったようにカメラ本体にたくさん使用しなければならず、それらをすべてS5ⅡXに装備するにはカメラケージが必要となります。
LUMIX S5ⅡXのカメラケージはSmallRigから2種類発売されています。
通常のカメラケージとBlack Mambaカメラケージの大きな違いはグリップ上部にデザインで、通常のカメラケージにはコールドシューがありますがBlack Mambaの方はシャッターボタンなどアクセスしやすいようにコールドシューを無くしています。
S5ⅡXで動画オンリーで使用する場合は通常のカメラケージをお勧めしますが、動画も写真もどちらも撮影するのであればBlack Mambaをお勧めします。
もっとS5ⅡXのお勧めの周辺アクセサリーを知りたい方はこの記事をご覧ください。
【LUMIX S5 Ⅱ】 おすすめ周辺機器・アクセサリー・レンズまとめ【S5ⅡX】
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LUMIX S5ⅡXとLUMIX S5Ⅱの比較、どんな人におすすめか?
S5ⅡX | S5Ⅱ | |
価格 | 274230円 | 247500円 |
動画RAWデータ記録 | 対応 | 有料アップデート対応 |
SSD記録 | 対応 | 未対応 |
ALL-Intra動画 | 対応 | 未対応 |
ProRes動画 | 対応 | 未対応 |
無線ライブ配信 | 対応 | 未対応 |
USBテザリング | 対応 | 未対応 |
有線ライブ配信 | 対応 | 未対応 |
上はS5ⅡXとS5Ⅱの違いをまとめた表です。
S5Ⅱでも同価格帯のミラーレス一眼カメラと比べて十分本格的な動画撮影は可能ですがS5ⅡXはS5Ⅱ以上に動画撮影機能に特化したカメラになっています。
S5Ⅱと比較すると価格が約30000円高くなりますがProResやALL-Intra動画記録やHDMI動画RAWデータ出力ができるので価格以上にお得です。(S5ⅡはHDMI動画RAWデータ出力に+20000円でアップデート可)
それにS5ⅡXのオールブラックデザインが何よりカッコいい(笑)
Adobe Premiere ProやBlackmagic Davinci Resolveなどの動画編集ソフトを使って本格的なカラーグレーディングを行う人やこれから動画を深く学びたいのであればS5ⅡXがお勧めです。
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S5ⅡXとS5Ⅱどちらがおすすめ?
- S5Ⅱは写真と動画両方を楽しみたい人向けのミラーレス一眼カメラ
- S5ⅡXはS5Ⅱ以上に動画を本格的に楽しみたい人向けのミラーレス一眼カメラ
LUMIX S5ⅡXのアップデートの方法
LUMIX S5ⅡXのアップデートの手順を紹介します。
簡単な流れ
- LUMIX S5ⅡXのバージョンを確認
- LUMIX S5ⅡXのアップデートプログラムをダウンロード
- アップデートプログラムをSDカードにコピー
- 電源OFFのLUMIX S5ⅡXに充電されたバッテリーとアップデートプログラムをコピーしたSDカードを装着
- LUMIX S5ⅡXの電源をオンにする
- 「MENU/SET」ボタンからバージョン表示を選択し、ソフトウェアアップデートをクリック
- バージョンアップしますか?と表示されたら「はい」を選択
- アップデートが開始され、数分後に完了
アップデート後はSDカードのアップデートプログラムファイルを削除をお忘れなく