こんにちは、E-M-Wです。
今回は、桜をデジイチ(デジタル一眼レフ、ミラーレス一眼カメラ)で綺麗に撮る方法を紹介します。
Contents
持って行く機材
今回桜を撮影する際、広角・標準・望遠ズームレンズと単焦点マクロレンズを持ってきましたが、一番使用したのは望遠ズームレンズです。
望遠ズームレンズを使えば、圧縮効果で桜を密集しているように見せたり、大きく背景をぼかしたりと重宝します。
ただし、望遠ズームレンズだけで撮影しても面白みがないので、広角や標準レンズやマクロレンズなど様々なレンズを使って撮影するのをお勧めします。
例えば、広角レンズを使って桜の木全体を撮影したり、マクロレンズを使って桜の花びらのアップを撮影したりと色々なパターンを撮影しましょう。
そして、マクロ撮影や夜桜の撮影を行う方は、手ブレを防止するために三脚とリモートレリーズも持って行くことをお勧めします。
白い桜にはマゼンタをプラスする
上の写真は青空と桜の対比を撮影してみました。
空の青さは出ていますが、残念なことに桜の色はピンクというよりも白く写ってしまっています。
みなさんが思い描く桜のイメージはピンク色だと思いますが、実際には意外と白いんです。(品種や樹齢にもよります。)
イメージしているピンク色の桜を撮影したい場合は、カメラのホワイトバランス調整機能を使いましょう。
この機能の本来の目的は、色かぶりなどを調整する機能ですが、マゼンタを少し強めることで桜のピンク色を強調することができます。
上の写真はオリンパスのオートWB補正機能の設定画面です。 右側のG(グリーン)の数値をマイナスにすることで画像にマゼンタをプラスすることができます。
先ほどの写真と比べると明らかにマゼンタをプラスして撮影した方が桜の花びらの色がピンクっぽくなっています。
ただし、強めすぎると青空など関係のない部分まで不自然な色になってしまうので、やりすぎないように注意しましょう。
また撮影時にRAWで撮影しておけば、後からRAW現像でマゼンタをプラスすることもできます。
青空と桜の木を綺麗に写すには順光で撮影する
桜の木と青空を綺麗な色で写したいときは順光で撮影しましょう。
半逆光や斜光で撮影すると、大気中の光が乱反射を起こして空の青さが正しく出ません。
順光で写すことで、青空が色鮮やかではっきりと写ります。
さらに空を青く、桜の花を鮮やかにしたいときは、カメラの機能にある仕上がり設定を変更します。
仕上がり設定は、カメラメーカーによって呼び名が違います。
例えば、
- キャノンの場合はピクチャースタイル
- ニコンの場合はピクチャーコントロール
- オリンパスの場合はピクチャーモード
- ソニーの場合はクリエイティブスタイル
- パナソニックの場合はフォトスタイル
- 富士フィルムの場合はフィルムシミュレーション
- ペンタックスの場合はカスタムイメージ
という風に呼び名が違っています。
この仕上がり設定を色が鮮やかに出るモードに変更します。
- キャノンの場合は風景
- ニコンの場合は風景
- オリンパスの場合はビビッド
- ソニーの場合は風景
- パナソニックの場合は風景
- 富士フィルムの場合はベルビア
- ペンタックスの場合は風景
を選択すると良いと思います。
こちらの上の写真はOLYMPUS OM-D E-M1 Mark Ⅱでピクチャーモードをナチュラルからビビッドに設定を変えて撮影したものです。
先ほどの写真より色鮮やかになり印象的な写真になりました。
またPLフィルターを使って青空に深みを出すと、さらに桜の色が強調されます。
桜が暗く写る場合は露出補正をプラスにして撮影する
桜の花を画面いっぱいに写すとこのように桜の花が暗く写ってしまいました。
これはカメラが桜の花の白さを明るすぎると判断して、露出を自動的に暗く設定したためです。
ちなみに桜以外の場合でも例えば、曇り空が写真に写っている場合にもこのような現象が起こります。
今回のように暗く写った場合は、カメラの露出をプラスに補正しましょう。
上の写真は先ほどの写真を露出補正+1.7にした写真です。
かなり明るくしたので背景の空が飛んでしまっていますが、桜がメインの写真なので全然大丈夫です。
基本的には白っぽい桜を画面全体に写す場合は露出補正を+1前後にあげるように心がけましょう。
マクロ撮影で桜の花を大きく写す
小さな桜の花びらを画面いっぱいに写すには、マクロレンズが必要になります。
マクロレンズを使うと被写体を大きく写すことができ、さらに被写界深度を浅くなり大きくぼかすことができます。
しかし、その反面ピントの合う範囲がとても狭いためピント合わせがとてもシビアで、手振れを起こしやすくなります。
撮影する際は三脚を使いカメラをしっかりと固定して、MF(マニュアルフォーカス)でピントを合わせて、手振れ防止のためにリモートレリーズを使ってシャッターを切る必要があります。
ピントを合わせる位置ですが、マクロレンズで花を撮るときは基本的にはピントは中央のしべに合わせると良いでしょう。
そして、桜の花のマクロ撮影を行う際はできるだけ風の吹いていない日に行いましょう。 せっかく三脚でカメラを固定してピントを合わせても風で桜の花が揺れてしまい撮影になりません。
自分はマクロ撮影の準備をして、いざ撮影地に行ったものの強風がやまず結局撮影を断念した苦い経験があります。
そんなことのないように出かける前に天気予報で風速もチェックしておきましょう。
前ボケを使って写真に華やかさを出す
望遠レンズを使って遠くにある桜を撮影する時に、レンズの前に桜の花を配置して撮影すると前ボケができ、写真に華やかさを出すことができます。
ちなみにこの写真はM.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PROという望遠レンズを使い、焦点距離85mm(35mm版換算170mm)で絞り値はF2.8で撮影しました。
前ボケを使うときは、
- 光の当たっている桜の花を前ボケに使うと、綺麗な前ボケになる。
- 前ボケにする桜の花にカメラをできるだけ近づけて、被写体となる桜の花にはできるだけ離れることで前ボケが大きくなる
- 焦点距離の長い望遠レンズを使う
- 絞り値は開放にする
などがポイントとなります。
桜の花と人々を撮る
桜の名所に行くとカメラで桜を撮影する人、お花見をする家族やカップル、愛犬と散歩している人など様々な人々が行き交っています。
桜単体で撮影するのも良いですが、そこにいる人たちをあえて写真に入れてみましょう。
上の写真は、子供がお父さんの手をとって斜面を駆け下りる場面を撮影しました。 このように人物が入ることによって写真にストーリーが生まれます。
ただし、このご時世大勢の人がいる場所で無闇矢鱈に人を撮影すると盗撮だと思われることもあるので誤解されないように注意しましょう。
万が一疑われた場合でも、間違ってもその場から逃げることは避けて、撮影データを相手に見せて自分の潔白を証明しましょう。
夜桜を撮影する
桜の名所には夜になるとライトアップされるところもあります。
夜桜は昼間の桜とはまた違った幻想的な雰囲気を醸し出します。
ただし、夜桜の撮影は日中の桜の撮影よりも難しくなります。
まず夜は光量が足りないのでシャッタースピードを遅くする必要があります、そのため、三脚を使用して撮影を行いましょう。
そして、せっかく三脚を使用しているのにシャッターを押した際にブレてしまっては元も子もないので、リモートレリーズを使うことをお勧めします。(ただし、場所によっては三脚が使用が制限されている場合が多々あるのでその際はiso感度をあげて対応します。)
そして、一番重要なのは露出の決定です。夜桜は背景の暗さとライトアップの明暗差が非常に大きいので、露出がオーバーしないようにヒストグラムを確認しながら気をつけて撮影しましょう。
HDR撮影
個人的には夜桜のように明暗差が非常に大きい被写体にはHDR写真もお勧めです。
実は上の夜桜の写真はRAW現像ソフトのLightroomを使用して、露出値-2EV・露出値0・露出値+2の三枚の画像を合成したものです。
HDRを使えばシャドウが黒く潰れず、ハイライトが白く飛んでいない夜桜の写真に簡単に仕上げることができます。
HDR写真の合成方法についてはこちらの記事で解説しています。
撮影時の注意点
三脚が使用できるかどうか確認する
桜の花のマクロ撮影や夜桜を撮影する方にとっては三脚は必須ですが、近年三脚が使用できない場所が多くなっているのが事実です。
事前に三脚の使用ができるかどうか調べてから訪れるようにしましょう。
また、三脚が使用可能な場所でも混雑時は邪魔にならないように使うなどの配慮が必要です。
桜の花を傷つけない
これは実際にあった話ですが、撮影に邪魔な枝を折ったり、桜の枝を力一杯揺すって人為的に桜吹雪を発生させて撮影する人を見かけたことがあります。
綺麗に咲いた桜の花は自分だけのものではありません。いくら素晴らしい写真を撮れたとしてもこのような行為は間違っていると思います。
みんなでマナーを守って気持ちよく撮影しましょう。
桜の名所には早朝に行く
桜の名所には多くの観光客が訪れるので、混雑は必死です。少しでも人が少ないほうが撮影しやすいので平日の早朝に訪れることをお勧めします。
他の花の撮り方
他の花についても撮り方をまとめてみました、興味のある方はご覧ください。
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