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LUMIX S1Ⅱの熱停止対策|Cfexpress・SDカード・SSD【S1RⅡ・S1ⅡE】

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私はLUMIXのフルサイズミラーレス一眼ユーザーで愛機をS5ⅡXからS1Ⅱに買い換えて使用しています。

S5ⅡXからS1Ⅱになったことでこれまでできなかったノンクロップの4K 60Pや4K 120Pの動画撮影や写真の高速連写、8段分の手ぶれ補正・約576万のファインダー・チルトフリーアングルモニターなど大きく進化しており、とても満足しています。

ただし、一つだけLUMIX S5ⅡXと比べて劣っている点もあります。それは動画撮影中に熱停止が起きる点です。

この記事ではS1Ⅱの熱停止までの連続撮影時間をさまざまな条件でテストし、連続撮影時間を伸ばす方法を検証していきます。

S1Ⅱのみならず、兄弟機のS1RⅡやS1ⅡEのユーザーの方も是非参考にしてください。

S1Ⅱの熱停止問題とは

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S1Ⅱは長時間の動画撮影時に熱停止を起こし、撮影が終了します。

もちろん現在発売中の他のミラーレスカメラでも長時間の動画撮影すると熱停止は起こります。

ただ以前使用していたS5ⅡXの場合は熱停止はおろか熱警告すら出たことがなかったので S1Ⅱで初めて熱停止した際、動揺したのは事実です。

S5ⅡXの場合は公式サイトに動画記録・時間制限なしと記載されているのに対し、S1Ⅱは動画連続記録時間が記載されていることから100%熱停止を避けることはできないということです。

特に気温の上がる夏はより熱停止への注意が必要になります。

熱停止までの連続撮影時間をテスト

熱停止を避けられないのであれば、工夫して少しでも動画連続記録時間を伸ばす方法を考えましょう。

今回は高ビットレートの4k 60p 4:2:2 10bit ALL-Intraの動画で連続撮影時間を計測します。

注意:このテストはあくまで素人が行った簡易的なテストで精密なテストではありません。そのため、同様の環境で実際に使用した際にテスト結果と異なる結果が出る場合もありますが、当方には一切の責任は負いかねますのでご了承ください。

テスト1回目:CFカードの連続撮影時間

最初にテストする設定・条件は以下となります。

テスト1回目

  • 動画ファイル形式:4k 60p 4:2:2 10bit ALL-Intra(600Mbps)
  • ファン動作モード:標準
  • 動画撮影時の制限緩和:高温
  • CFカードスロット:Lexar Professional CFexpress Type-B SILVER 1TB
  • SDカードスロット:ProGrade Digital UHS-II V90 COBALT SDカード 512GB
  • ダブルスロット機能:記録先1(CF Expressカード)
  • 電源:DMW-BLK22(バッテリー)
  • 撮影場所:室内
  • 撮影温度:30〜31度

連続撮影時間:約34分

LUMIX S5ⅡXの時は4k 60p 4:2:2 10bit ALL-Intra(600Mbps)での撮影で同様の温度で撮影しても熱停止することなく撮影できていたので、この結果には少し不満ですね。

しかし、4k 60p撮影時にS5ⅡXはAPS-Cサイズにクロップされるのに対し、S1Ⅱはフルサイズで撮影可能なので、カメラにかかる負荷も大きく異なります。

また S1Ⅱから採用された記録メディア「Cfexpress type Bカード」は高速データ転送が可能なのがメリットですが、SDカードと比べ物にならないぐらい発熱するデメリットもあります。

今回のテストで使用しているCfexpressカードはLexar Professional CFexpress Type-B SILVER 1TBでこのカードはTLCと呼ばれるメモリー方式を採用しています。

Cfexpress type Bカードのメモリー方式にはTLCとpSLCの2種類があり、TLCは安価だが発熱量が高く、耐久性が低いなどのデメリットがあるのに対し、pSLCは高価だが発熱量は低く、耐久性が高いなどのメリットがあります。

ただし、TLCとpSLCでは同じストレージの容量でも価格が倍以上違うので絶対的信頼性を必要とするプロでない場合は安価なTLC方式のCfexpress type Bカードでも問題ないと思います。

テスト2回目:SDカードの連続撮影時間

次はダブルスロット機能:記録先を2(SDカード)に変更してテストしてみます。

テスト2回目

  • 動画ファイル形式:4k 60p 4:2:2 10bit ALL-Intra(600Mbps)
  • ファン動作モード:標準
  • 動画撮影時の制限緩和:高温
  • CFカードスロット:Lexar Professional CFexpress Type-B SILVER 1TB
  • SDカードスロット:ProGrade Digital UHS-II V90 COBALT SDカード 512GB
  • ダブルスロット機能:記録先2(SDカード)
  • 電源:DMW-BLK22(バッテリー)
  • 撮影場所:室内
  • 撮影温度:30〜31度

連続撮影時間:約52分

CFexpress type BカードよりもSDカードの方が発熱量が低いため、連続撮影時間が伸びましたね。

それから、4k 60p ALL-Intraの動画を撮影する場合はスピードクラスV90のSDカードを使用しましょう。

4K 60p ALL-Intraはビットレートが600Mbpsと非常に高いですが、最低書き込み速度が90MB/秒(720Mbps)のV90のSDカードを使用すれば安定した動画記録画可能です。

今回使用しているSDカードのProGrade Digital UHS-II V90 COBALT 512GBはpSLC方式・スピードクラスV90で4k 60p ALL-Intraで撮影する方におすすめです。

ちなみに4K 30P ALL-Intraの動画(400Mbps)であれば、スピードクラスV60のSDカードでも問題なく撮影可能です。

テスト3回目:SDカードの連続撮影時間(CFカードなし)

次は2回目のテストと同じでSDカードに記録しますが、スロットからCFカードを抜いてテストしてみます。

テスト3回目

  • 動画ファイル形式:4k 60p 4:2:2 10bit ALL-Intra(600Mbps)
  • ファン動作モード:標準
  • 動画撮影時の制限緩和:高温
  • CFカードスロット:なし
  • SDカードスロット:ProGrade Digital UHS-II V90 COBALT SDカード 512GB
  • ダブルスロット機能:記録先2(SDカード)
  • 電源:DMW-BLK22(バッテリー)
  • 撮影場所:室内
  • 撮影温度:30〜31度

連続撮影時間:約1時間19分

CFカードはカードスロットに差し込んでいるだけでもカード本体がかなり発熱するようで、その熱源のCFカードを取り除くだけで連続撮影時間を大きく伸ばすことができるようです。

せっかくのダブルスロットの意味がなくなりますが、撮影時間を伸ばしたい場合はこの方法がよさそうです。

テスト4回目:外付けSSDの連続撮影時間(SD・CFカードなし)

次はCFカード・SDカードを抜いて、外付けSSDに記録してテストしてみます。

テスト4回目

  • 動画ファイル形式:4k 60p 4:2:2 10bit ALL-Intra(600Mbps)
  • ファン動作モード:標準
  • 動画撮影時の制限緩和:高温
  • CFカードスロット:なし
  • SDカードスロット:なし
  • ダブルスロット機能:なし
  • USB-SSD:ON
  • 外付けSSDとUSB-C ケーブル:SANDISK Extreme Portable SSD 1TB+SmallRig USB-C to USB-C コイルケーブル 35cm
  • 電源:DMW-DCC18(DCカプラー)+モバイルバッテリー「CIO SMARTCOBYPRO10000/30W」
  • 撮影場所:室内
  • 撮影温度:30〜31度

連続撮影時間:約2時間以上(途中でテストを終了)

LUMIX S1Ⅱ(S1RⅡ・S1Ⅱe)はUSB-Cケーブルで接続した外付けSSDに動画・静止画を記録する機能があります。

外付けSSDはCFカードと比べ、安価でありながら大容量で高速データ転送が可能なので高ビットレートな動画撮影にもってこいです。

カメラ内部のスロットに差し込むCFカードやSDカードはカメラ本体の発熱に原因になりますが、SSDはカメラ外部にあるため本体の発熱を抑えることが可能です。

また今回はそれに加え、バッテリーの代わりにDCカプラー「DMW-DCC18」を使いました。

DCカプラーはいわゆるダミーバッテリーと呼ばれる機器で外部から電力を供給することができるため長時間の撮影が可能で更にカメラの発熱を防ぐこともできます。

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DCカプラーは本来ACアダプターでの使用を想定しており、モバイルバッテリーでも使用可能です。
注意:動作保証対象外のためあくまで自己責任でお使いください。

使用できるモバイルバッテリーは以下の仕様となります。

  • PD対応
  • 27W出力対応
  • USB type C端子

モバイルバッテリーよりも安定性・信頼性や複数の用途での使用を想定する場合はVマウントバッテリーがおすすめです。

このテストは連続撮影時間2時間を超えた時点で終了しました。ちなみに2時間の時点で熱警告も出なかったため、まだまだ撮影時間は伸びそうです。

番外編:36度の屋外での連続撮影時間

36度の屋外でテスト3回目のSDカードの連続撮影時間(CFカードなし)を測定してみました。

番外編

  • 動画ファイル形式:
  • ファン動作モード:標準
  • 動画撮影時の制限緩和:高温
  • CFカードスロット:なし
  • SDカードスロット:ProGrade Digital UHS-II V90 COBALT SDカード 512GB
  • ダブルスロット機能:記録先2(SDカード)
  • 電源:DMW-BLK22(バッテリー)
  • 撮影場所:室内
  • 撮影温度:35〜36度

連続撮影時間:約42分

LUMIX S1Ⅱの熱停止対策まとめ

LUMIX S1Ⅱは記録メディアの選択によって動画連続撮影時間が大きく変わることがわかりました。

動画連続撮影時間の順番:CFカード>SDカード>SSD

またバッテリーをDCカプラーに変えることで更に撮影時間を伸ばすことが可能なようです。

この結果を踏まえた私のS1Ⅱの運用方法はこのようになりました。

  • 静止画メインの時:CFカードに静止画を記録、SDカードに動画を記録
  • 動画メインの時:CFカードを抜き、SDカードに動画を記録
  • 長時間の動画撮影や4K 60P ALL-Intra以上の高ビットレートの動画撮影時:CFカード・SDカードを抜いて外付けSSDに記録

今回紹介した以外にもカメラ外部からファンを使って冷やしたり、炎天下での撮影の場合日傘を用いるなど熱停止対策はまだまだあります。 新しい熱停止対策の良い方法が見つかれば、またこの記事で紹介していきますね。

  • この記事を書いた人
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E-M-W

関西を拠点に活動するブロガー・写真家。2013年から本格的にカメラ撮影を開始し、2016年にE-M-Wonderfulを立ち上げる。撮影だけでなく写真・動画編集が大好きでたくさんのアプリを所有し最新の情報を発信しています。

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